今、全てを決める必要なんてない!まずは自分の中の曖昧な不安を具体化することから始めてみましょう

あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意

「プラン」や「デザイン」せずに、幸せなキャリアを創る方法
今、全てを決める必要なんてない!まずは自分の中の曖昧な不安を具体化することから始めてみましょう
「キャリアプラン」「キャリアデザイン」の言葉踊る昨今。でもちょっと待った。20代、30代、いや40代だって「5年後10年後の自分」なんてそう簡単に想像なんてできないのでは? じゃあどうするか。答えは身近なところにあったのです。
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所 由紀氏
キャリアプランなんて立てられなくて当然
ヘコむ必要全くなし!
 
―― 新卒で営業職として今の会社に入って6年。最近、このままずーっとこの仕事をやり続けていいものかどうか、自分の今後のキャリアをどうやって築いていくべきか、そこんところが見えなくて悩んじゃってるんですよね。ていうか、キャリアプランの立て方なんて自分には全くわからないんですよ。
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T  
青木さんは、就職して6年ですか? ずーっと営業をなさってたの?
 
―― はい。大学卒業後、社会人になって6年間、疑問をもつゆとりさえなくて、とにかくがむしゃらに頑張ってきたんですが、最近このままでいいのか? っていう不安と、自分にはキャリアプランが立てられないっていう不安に襲われて。
 
T  
確かに、最近の若手ビジネスマンに青木さんと同じような悩みをもつ方は増えてるようです。けど、私はキャリアプランなんて、そもそも立てる必要なんてないんじゃないかと思うんですけどね。
―― えー??? そうなんですか??? でもキャリア系のWebサイトや雑誌や書籍やセミナーとかでは、猫も杓子も「キャリアプラン立てろー」、「キャリアデザインしないとダメだー」じゃないですか! 詳しく教えてください!
 
T  
まあそうがっつかないで(笑)。社会人経験わずか6年、ましてや青木さんのように1つの会社で働いてきた人の場合には、キャリアプランを立てようにも、その材料もそんなに沢山はないでしょう? 未来をチョイスするにも材料が少な過ぎると思いませんか? そんな中でキャリアプランを立てるなんて土台無理な話だと思うんですが、いかがでしょうか。

―― それは確かにそうなんですよね。でも周りには自分の将来をしっかり見据えて、例えば5年後にはどうする、10年後の自分はこうだ、ってハッキリ見えてる人もいて、そういう人と話をするとヘコむんですよ
 
T  
なるほど~。周りにそういう人がいたら確かにちょっと気になるかもしれませんね。でも私自身も、30歳の頃を思えば、キャリアプランなんて立てられませんでしたよ。
 
―― へぇー! そうなんですか?
 
T  
今の人事コンサルタントの仕事を「ああ、自分はこの方面でやっていくんだな」ってなんとなく思うようになったのなんて、30代後半か、もしかしたら40歳を過ぎてからでした。実際に『偶キャリ。』でインタビューさせて頂いた方には50歳を目前に自分の天職と巡り合った(天職を知った)方もいらっしゃるわけですし。だから、28歳で何をそんなに焦る必要があるのかな、っていう気がしますね。
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「なんとなく不安」が実は一番厄介

自分の仕事の満足度を測ってみよう

 
―― いや、正直自分でも、何に対して焦っているのかとか、何が一番不安か、っていうのがよくわかってないんです。でも、なんとなく不安というか心配というか。このままでいいのかどうか、自分自身が見えなくて解らなくて。だから余計に不安になってしまうんです。
 
T  

青木さんが感じている一番の不安は何だと思いますか? まずは自分の気持ちが見えてない、ということなんですが、何に対して不安を感じているのか、というのを具体化して見つめてみるといいのかな、って思いますね。営業職ということに限らず、就職活動中の学生も「なんとなく不安だ」っていう人がいるんですよね。営業というその職種でいいのか?とか、この会社でいいのか?という、そういった漠然とした「なんとなく」の不安、というものがあるみたいなんです。

 
―― うーん。そんなに具体的に自分を見つめてみたことなんて今までに一度もないんです。営業という職種がイヤだとか、今の会社がイヤだとかってハッキリ認識したこともないし。ただなんとなく漠然と「このままでいいのか?」っていう不安にずーっとモヤモヤした気持ちを抱き続けているような、そんな感覚です。
 
T  

「漠然とした不安」とはよく言いますが、逆じゃないかな、って思っているんです。で、逆に「漠然とした夢」っていうのも人はもっていると思うんです。なんとなくこんな風になるといいな、っていうそれこそ「漠然とした将来の夢」。人はそういう漠然とした思いというのを常に持っているんですね。で、それが明確にならないから「なんとなく」不安だと思い込んでしまう。

そこで、じゃあ何が不安なのか、というのを具体化することで、ああ、自分はこういうことで不安に思っていたのか、ということに気づけることもあるので、その「なんとなく」というのをハッキリさせてみる、というのは一案だと思いますね。自分にとってポジティブな部分は漠然としたまま置いておいて、その反対の漠然としたネガティブな部分というのを具体化してみる、というのも一つのキッカケになるんじゃないかな、と思います。

 
―― それ、どうやればイイんでしょうか?
 
T  
例えば、これは私が先日あるキャリアコンサルタントから聞いた話なんですが、その日1日、自分の仕事に対して満足点をつけてみる、という方法があるんです。例えば営業職だったら、お客さんとアポをとる、ということもありますし、リストアップをする、ということもあるでしょう。1日の業務の中で沢山のアクションがあると思うんですが、その1つ1つの行動に対して、自分で満足点をつけてみるんです。10点満点で、例えばリストアップに関しては8点くらいだな、とか、アポ取りはちょっと苦手だから5点かな、とか、そんな具合です。点数といっても「満足度」ですから、「好き」「嫌い」の基準でいいんです。
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―― なるほど……「仕事に対する満足度の採点表」ですか。きっと「今の仕事」に限定して行うところがミソなんですね。僕も早速やってみようっと。
あくまで「仕事」にフォーカス
「自己分析」のワナに陥るな
 
T  

青木さんの場合は28歳ですが、就職してから6~7年くらい経っていてそれなりに経験も積んではいると思いますが、だからと言って、社会に出てそんな短期間に自分って何?とか、どうなるべきか、っていうものが明確に定まっている人は少ないんじゃないかと思いますね。そこがいわゆる「自己分析のワナ」なんじゃないかと思うことがあるんですよ。

よく「今までのキャリアを掘り起こせ」っていいますけど、キャリアが浅いと掘ってもなかなか出てこない人だっていますよね。だから「自己分析」というのではなくて、「今の仕事ってオレにとってどうよ?」っていう部分に対して具体化してみる、ということが大事なんですね。

青木さんが、自分にとって「営業」という仕事はどうなのか? とか。不安の材料は「仕事の中身」なのか「会社そのもの」なのかそれとも「それ以外の何か」なのか。そういう部分を一度キチンと見つめてみる、というのが大事なんじゃないかなと思います。

 
―― なるほど。今、目からウロコが一枚落ちた気がします。で、自分の中にある漠然とした不安の原因が分かった後はどうすればいいんでしょうか。もし仕事の内容そのものとか、会社とか環境的なモノに不満を感じていたとしたら。もう転職するしかないんでしょうか?
 
T  

では次回はその「不安の正体」が分かってからどうするかをお話していきましょう。

 
―― ぜひよろしくお願いします!
 
 
講師:所 由紀氏
1985年、東京外国語大学外国語学部卒業。86年にリクルート入社、人事・マーケティング関連調査の企画・分析・レポーティングを担当する。94年にフリーとして活動をスタート。99年中小企業診断士登録。人事コンサルタントとして、企業のコンサルティング・研修を行う傍ら、講演や専門誌への原稿執筆を積極的に行っている。2005年CTIジャパン応用コース修了。インディペンデント・コントラクター協会会員。
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nyantasistaの「偶キャリ。」日記
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『偶キャリ。』(所由紀/経済界)
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「偶然」からキャリアをつくった10人、という副題の通り、まさに「偶然」から成功のキャリアを築いた10人のインタビューと、どうやったらその「偶然」をキャリアにすることができるのか、という基本的な行動・考え方について優しくアドバイス。すごく簡単なことなのに、ちょっとしたコツを知らなかったからできなかったあんなことやこんなこと。身近な部分からちょっとした自分を発見することによって、ナニカが確実に変ってくる。目からウロコのヒント満載の1冊。

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締め切り/2007年2月6日(月)

 

生徒:青木康祐
28歳。大学卒業後、ゼミの先輩のコネクションで現在の会社(中堅商社)に就職。6年間、ノルマに追われて必死で働きそこそこの成績もあげてきた。忙しい毎日に、ある日ふと我にかえった時、今後の職業人としての将来像が見えず漠然とした不安を抱えている。
photo 所由紀氏から学んだ胸に刻んでおきたい3つのこと
1
キャリアプランなんて立てなくていい!
2
不安を感じているならその正体を突き止めろ!
3
「今の仕事に対する満足度」をつけてみよう!
構成/深田り由
写真/bushi-HONDA